今日は、間違いを「直す」より「生かす」視点について書いてみたいと思います。

あなたのお子さんに役立つ内容なので、ぜひ最後までじっくり読んでくださいね。

 

発表会後のありさちゃん(仮名、小学4年生)の様子をご紹介します。

ありさちゃんは、発表会後の感想でこのように言ってくれました。

「前より間違えるのが怖くなくなってきた。間違えても、自分が気持ちよく弾ければいいと思うから」。

お母さんも、感想でこのように書いてくれました。

「以前よりイライラしなくなりました。『まあいいか』とおおらかになりました。また、自分から曲を調べたり繰り返し練習したりするようになりました!」。

ありさちゃんは「間違えてはいけない」から「間違えても大丈夫」と思えるようになったのですね。だから、間違いを恐れずにチャレンジする場面が増えたのですね。

 

そして、先週のレッスンのことです。

ありさちゃんは顔を楽譜に近づけて、少し弾きにくそうにすることが多いのです。私が注意をすると、ますます顔を楽譜に近づけて弾きにくそうにするのです。そこで私は考えました。

「以前より間違いを気にしなくなったのに、弾きにくそうなのはもしかすると、ありさちゃんは目だけの情報に頼っているのかもしれない。体の感覚として感じるのが弱いのかもしれない」。

どういうことかと言うと、楽譜は視覚情報ですよね。だから、目で見て弾こうとします。目で見て弾くだけだと、実は問題を引き起こしてしまいます。

なぜなら、ピアノを弾くということは目で見た情報を体の感覚に落とすということだからです。

体の感覚に落とすというのは、たとえばこういったことです。

 

目で見た情報を弾くと、どんな感覚がするのか?

手が広がる感じなのか、手が狭まる感じなのか?

鍵盤の距離を遠く感じるのか近く感じるのか?

 

そこで私は、言いました。

「もしかして、ありさちゃんは目だけで見て弾こうとしているかもしれないね。手の感覚をもっと意識して弾いてみよう。手をどのくらい広げるといいのかな。指を順番に動かすとどんな感じがするのかな。楽に動くかな。それとも動かしにくいかな」。

すると、ありさちゃんの演奏は劇的に変わって、とても弾きやすそうになり音も柔らかくなったのです!体全体で心から音を奏でていました。

レッスン後にお母さんにも聴いてもらうと、「こんなに演奏が変わるんですね!!」ととても感激されていました。

 

通常のピアノ教室だと、「間違えているところを直しましょう」と、間違いの指摘で終わることが多いのです。

実際、ありさちゃんは以前の教室では間違いを指摘されることが続いて、委縮していたそうです。

でも、カウンセリングピアノ教室では間違えるのはどうしてなのか、その背景を考えます。間違える原因が、癖なのか考え方なのか体の使い方なのかによって、注意する内容は違ってきます。

それは、単に「間違えた」という表面を判断するのではなく、「間違いをどう生かしていくか」と言う視点で考えているからです。

つまり、間違いが成長につながる視点で指導をしているからです。

間違いの指摘は技術の上達にしかつながりませんが、間違いを生かしていくことはお子さんの成長につながります。

たとえば、

「間違ってはいけない」

「間違えるのは恥ずかしい」

「間違える自分はダメだ」

などという思い込みに気づいて、「間違っても大丈夫。縮こまらないで表現しても大丈夫」と思えると、学校でも積極的に発言したり、遠慮しないでお友達とも楽しく話したりできるようになるのです。

このように、成長とは思い込みに気づいて、生き生きと自分を表現できるようになることです。間違いを封じ込めるのでなく、間違いを生かすことは成長のきっかけになるのです。

カウンセリングピアノ教室では、ピアノの技術「だけ」でなく、お子さんの成長こそが目的だと考えてレッスンをしています。

カウンセリングピアノ教室でお子さんの成長をとお考えの方は、ぜひお問い合わせください。お問い合わせ先はコチラ