春は別れと出会いの季節ですね。カウンセリングピアノ教室でもお別れをする生徒さんがいます。
今日は、生徒さんが葛藤を乗り越えて自分の意見を言えるようになり、送り出すまでをご紹介したいと思います。
自分の意見を言えるようになるとはどういうことか、子どもの自発性に興味がある保護者の方には、とても参考になるのでぜひ読んでくださいね。
ただしくん(6年生仮名)は、中学校になっても回数を減らしてレッスンに通いたいと考えていました。
でも大きな問題がありました。それは、ただしくんは、今まであまり自主的な練習をしてこなかったので、ご両親を納得させることができそうにないということでした。
ご両親はこれまでずっと、私を信頼して悩みを打ち明けてくださっていました。
私もできるだけフォローしていたのですが、ただしくんはおうちではなかなか自主的に練習をしなかったそうなのです。
それが今、節目を向かえてピアノを続けたいと言った時、応援してもらえないと言う形になってしまいました。
ただしくんは自分は頑張っていると主張します。私はただしくんにこう言いました。
「まず、お母さんお父さんとしっかりお話をしましょう。
自分が頑張っているということと、お母さんお父さんの頑張っていることとの見え方は違うよ。
頑張るということは具体的にどういうことなのか、お互いどう思っているのか話し合いをしましょう。その上でどうしたらよいか考えましょう」
こう言ったのには理由があります。
今までのレッスンで、注意をするとただしくんは「自分はやっている。できていると思うのに」と言うことが多く、そこを注意することが多かったのです。
つまり、自分の基準と相手の基準が違う時、抵抗があるということでした。
現実的な経営を考えると、続けるように声かけをするのが一般的かもしれません。
けれども、私はこの機会に、自分の主張と相手の主張は見え方が違うと言うことを学んでほしいと思いました。その上で続けるかどうかを決断してほしいと考えました。それがただしくんの今後の人生において最も重要だと思ったからです。
続けるかどうかは表面的な問題であって、深いところにある本当の問題は、ただしくんが先延ばししてきた課題を自分で解決することだと考えたからです。
そのことをご両親にも話し、しっかりと話し合いをするようお願いをしました。
さて、1週間後ただしくんはどう言うと思いますか?
1週間後のただしくんの反応は、明日書いてみたいと思います。