早朝のお花見。
静けさの中、小鳥のさえずりが聞こえます。
こぼれんばかりの花。溜った滴がきれい。
夜桜だと神々しくさえありますね。
作曲家の生涯を調べていると、
生き方に感嘆することがあります。
例えば、
ベートーベンの遺書は有名ですが、
読んでみると、泣けてきそうになります。
家庭に恵まれなかった彼は、
甥の面倒も見ていたのですが、その甥は、グレてしまう。
耳も聴こえなくなりつつある。作曲家として致命的です。
「絶望して死のうと思った。
でも、命ある限り、生を全うするのが本当だと思ったから
やりそうと思った」
その後、彼はもはや聴くことはできませんでしたが、
数々の名曲が生まれたのです。
ショパンも、
祖国ポーランドがロシアに蹂躙され、
家族の安否さえ確認できない中、
銃を取らず作曲に専念するよう強く説かれ、
必死に思いとどまるのです。
その後、有名になったショパンに、
ロシア皇帝から御前演奏の依頼がありました。
彼はこれを断ります。
どういう思いだったのでしょう。
現代の私たちとて無縁ではありません。
希望を持てないこともある。
生活のために我慢することもある。
でも、彼らに、
尊厳を保つ姿を
見せてもらっているのではないのでしょうか。
作曲家の生み出した作品は、
そんな背景から生まれたのです。
お金を得るために書いたんじゃない。
魂そのものが込められている。
作品には、尊敬と愛情を持って向かいたいものです。