今回は、ピアノから得たことについてです。

ピアノは、小さい頃から、わりと目をかけてもらい、得意に思っていました。

特に、小学6年生から習った先生は、ピアノは上手だし、美人だし、おしゃれで優しくて、お宅に行くだけでも楽しみでした。

ところが、高校生の時、初めての挫折を経験しました。

コンクールに出てみたら、落ちた。

大学の推薦入試にも落ちた。

大学入学後も、

同級生の才能を目の当たりにすると、本当は、自分はたいして弾けないんだなと気づいた。

もうやめてしまおうと思った。

でも、やめられなかった。音楽への憧れがあったから。自分なりでいい、音楽の美しさに近づきたいと思ったから。他に、自分の居場所はないと思っていたことも、あった。

そこから、いろいろ勉強しました。

ピアノは、楽譜を分析して、自分の意思で弾くということ。言われた通りしか、弾いてこなかったのが、初めて自分の意思を表現してよいと言われて、すごく驚きました。

体をいかにうまく使って、いい音を出すかというアレクサンダーテクニック。

体と心の関係に気づき、整体の本もたくさん読んだ。関係の大きさに、驚くとともに、体験を通して、事実だと実感した。

リトミックでは、子どもは、単にかわいい対象ではなく、1人の人間として、人格を見ること。

こうして、質問したり、アドバイスをもらいながら、少しずつ変化していくのは、嬉しかった。

一番嬉しかったのは、人の言いなりだからではなく、自分の努力の過程を認めてもらったことです。

音楽は、自分自身でいられる場所だったんです。

この時、学んだことが、教える時の軸になっていきます。

次回は、最終回として、教室の理念とその理由を書きます。