「すごい 宇宙講義  イースト・プレス出版

           多田 将 著」

宇宙の謎についての本です。

イラストもあって分かりやすいはずです

(はず、と書いたのは、それでも私には難しいからです。笑)。

ブラックホールの不思議も書いてあります。

分からなくても、この不思議感に浸りたいんですよね。

 

この本の前書きに、素敵な言葉があったので、

書いてみたいと思います。

 

「科学の特長は、「書き換えられる」ということです。

例えば文学作品は、完成した後に世に出るため、

書き換えられることがありません。

 

しかし、

~科学においては、これまで正しいとされていたことが、

どんどん書き換わっていくことが、むしろ自然なのです。

本当に価値のあることは、

知識なり情報なりの「結果」ではなく、

それらをいかにして得たのかという「過程」のほうなのです。

 

結果は書き換わってしまえばそれでおしまいですが、

過程はそうではありません。

そこで得られた「考え方」「やり方」は、

無駄になることなく、

それらを踏まえて再び考えることで、

新たな「考え方」「やり方」に発展させることができます。

 

科学においては、結果よりも過程の方が魅力的で貴重なのです。

 

物理の世界では、

現象を解く方法としてまず仮説を立てる。

それが実証されるのは、

科学技術が進歩してから(数十年、数百年後!)

になることもあるそうです。

間違いが実証されることもある。

でも、それも含めて考え方を受け継いで、

新たな仮説を立て、発見につなげていくんだそうです。

あのアインシュタインでさえ、

「宇宙項」という間違いがあって、悔やんだとか。

一度は誤りであると認識されましたが

今では、様々な仮説を経て、

やはりそれは合っていたということになっています。

正誤を含めいろんな説を踏み台にして、

真実を追いかけているのですね。

 

音楽を続けることも同じだと思うのです。

一生懸命する。

うまくできるところもある。

なかなかできないところもある。

それでも人前で発表する。

そうしていくうちに、

できるところ、できないところが、「書き換えられる」。

 

だんだん上達していくので、

前によかったところには満足できなくなり、

できなかったことができるようになり、

そうすると、足りないところも見えてくる

(だから、前に弾いた曲を、

振り返って弾くのはとてもいいことです!)。

 

成功や間違いは、ある時点の結果であって、

過程の一つに過ぎない。

成功や間違いを通して、

美しいものを追いかけていくことが大事なんだと思います。