160903dsc04367

よく質問されることの中に、

「電子ピアノでもいいですか?」というのがあります。

答えは、「できる限りピアノにしてください」です。

電子ピアノは

お値段も安いし、

調律もいらないし、

夜でも弾けるのに、なぜでしょうか。

 

でも、本来ピアノを習う目的は何でしょう?

指が、鍵盤の上を間違えずに動くことでしょうか。

それとも、

たとえ間違えてもいいから、

想いを込めて弾けるようになることでしょうか。

後者ですね。

機械が弾くのではないのだから、

間違わないことが目的じゃなく、

表現することが目的なのです。

電子ピアノは、構造がピアノとは違います。

当然、音自体も、音の出方も違ってきます。

最初に、音の微妙な違いや響きがあって、

それをコントロールするための手の使い方なのです。

音あっての技術。

だから、ピアノでないと

本来の教育効果は得にくいのです。

 

とは言え、実際にはマンションなど住宅事情もある。

もちろん本人の様子を見てということもある。

だから一概にお勧めすることはできませんが、

電子ピアノは構造からいって、

本来のピアノとは違う楽器だということ、

音楽本来の目的からすると、

補助的なものと言わざるを得ないということを

理解してほしいのです。

 

また、

本人の様子を見てという気持ちも、

親としてよく分かるのですが、

親御さんがそのために楽器を整えてあげる。

その分頑張ってほしいという、覚悟ともいえる願いもないと、

安易な方に流れてしまいがちです。

すぐでなくても、いいのです。

検討して何年か後をめどにということでも、

事情が許す限り、ぜひピアノをと思います。

(電子ピアノなら、せめていいものを・・・!)

 

いつまでもゴムまりを使って、

サッカーの練習をするから、上手にならない。

試合にも出ない。

それで面白くないからやめる、みたいなことになってしまう。

本物のボールの重さ、痛さ、力加減を

味わわずに、こんなものかと思ってしまう。

それではあまりに残念です。

 

ピアノ本来の目的は、

ぜひ知っておいていただければと思います。