レッスンのカウンセリング効果についてシリーズで書いています。
今まで、
「自発性を促す」「親子のコミュニケーションアップ」について書いてきました。
今日は「子ども時代の学びの基礎固め」について書いてみます。
小学6年生のかおりちゃん(仮名)。
かおりちゃんは、イメージから物語を作ってお話するのが大好きです。
感情表現が豊かでまっすぐなお子さんなので、自分自身に対しても、いい人でありたいという思いが人一倍強いようでした。
そのせいか、注意されると否定されたように受け止める傾向がありました。
最初に出てくる言葉は「でもな~」でした。
でも、ある時、長期休暇で宿題をサボってしまったことや、それに付随することでも叱られて、大好きだったイメージの話をしばしお預けになってしまいました。
この時をきっかけに、私はこんなふうに尋ねてみました。
「おうちの人はどう思ってお預けにしたんだろう?」
今までのかおりちゃんは自分の気持ちを話すことはあっても、周りの人はどう思うかについて話したことは、ほとんどありませんでした。
そこで、何がいけなかったのか、どの部分に対して叱られたのか、イメージのお話を復活するにはどうしたらいいのか、じっくりと考えました。
そして、かおりちゃんは、
「今回の行動で、自分は信頼を失ってしまった。だから、イメージのお話を禁止されても仕方がない。だから、勉強やピアノを頑張る」
と考えることができました。
その後のかおりちゃんは、長期休暇の宿題はまず最初の数日で集中して済ませてしまいます。
レッスンでも、「でもな~」は「やってみる」に変わりました^^♪
注意をスムーズに試すことができるようになり、音楽もグンと表情豊かになりました。
かおりちゃんの持っていたイメージの豊かさが、注意への抵抗感がなくなることによって、花開いたのです。
表情も、以前はどこかすねていたところがあったのが、明るくなりました。
お母さんによると、お友達とも以前より楽しく過ごせるようになったそうです。
このように、レッスンでは、単に「注意を聞かないから上手にならない」ではなく、そのお子さんのどんな思い込みがあるのかを観察し、本人が気づいて取り除けるよう、レッスンしています。
思い込みは、心理学では認知の歪みと言いますが、人を生きづらくするものです。
だから、できるだけ早く気付いたほうがいいのです。
そうすれば、勉強やスポーツ、または社会人になって指導を受けたりする時にも、スムーズに学ぶことができます。
というわけで、教室ではレッスンを通して、子ども時代ならではの学びの基礎固めを行っています。
次回は、「成果より原因!」について書きたいと思います。