お母さんのお母さんの、そのまたお母さんは
どこから来たのだろう?
子どものころからずっと不思議でした。
「生物と無生物のあいだ 福岡 伸一 著
講談社現代新書」
という本を読みました。
生物と無生物は一体どこが違うのか?
という問いを考える内容です。
ある機能を持つ遺伝子を切り取る。
生まれてくるマウスの子どもは、
その機能に欠けるものと仮定する。
ところが、予想に反して、
子どもは、生まれた時も、成長しても、
何ら異常が見られない。
しかも、このような実験が、世界にもたくさんある。
一方、一部欠損した遺伝子を埋め込むと、
生まれた時は正常だが、
成長にしたがって異常行動が多くなり、
衰弱死する。
つまり、
遺伝子は、なくなった機能に対して、
カバーする力が働く。
ところが、中途半端な機能に操作すると、
かえって全体の調和を破壊するということです。
壊れた電気製品だったら真逆で、
部品をなくしたら、動かない。
とりあえずの部品は、代替品になり得る。
結論は、
生命は操作できるものではないと言うんです。
実際に遺伝子を操作した生物学者の経験は、重みを持って、
生命への畏敬の念を、感じさせてくれます。