今年もピアノの発表会の季節がやってきました。
発表会は、お子さんがおうちの人に頑張っている姿を見てもらう、1年の集大成です。
今までは、お子さんのペースに合わせてやってきましたが、
これからはそうはいきません。厳しくなりますよ(笑)!
同じ弾くなら、ただ弾くのではなく、保護者の気持ちが動くような演奏をしてほしい。
人前で弾くときは、「自分基準」では感動させられないのです。
例えば、「自分基準」だとテンポが乱れたり、強弱が弱すぎたりしてしまいます。
また、間違えてもいいところと間違えると目立ってしまうところも分かりません。
すると、本人は弾いたつもりなのにお客さんには感動してもらえません。
せっかく練習しても、たいして拍手がもらえないのです。
悲しいですよね。
「自分基準」ではなくお客さんが感動する演奏のためには、
レッスンでの注意を反復練習することが大事になってきます。
そうすれば必ずできるのです。
ただここからが大事なんですが、
そのためには本人が「よし、やろう!」と思えることが重要です。
なぜかというと、注意を反復練習するときは、
このような気持ちがついていかないとできないからです。
・注意を聴く、つまり自分流のこだわりを捨てることです。
・反復練習するには、忍耐が必要です。
・1回でうまくできなくても、事実を受け入れることが大事です。
なので、気持ちがついてこないお子さんに対して、私はこのように言います。
「どういうところをおうちの人に見てほしい?」
「レッスンでの注意を忘れて、上手になれるかな?」
「できないことが、数回でできるようになるのかな?」
「あきらめたり失敗を怖がったりして、できるようになるのかな?」
「プレゼントをもらう時、適当なものと、ちゃんとていねいにできたものとどっちがいい?
発表会の演奏はおうちの人へのプレゼントなんだけど、どっちのプレゼントがいい?」
このように「よし、やろう!」という動機づけを促すことでお子さんは力を発揮します。
それには、指導者には、お子さんができないことを指摘する厳しさが求められます。
今までお子さんの性質を見てきたからこそ、厳しいことも言えるのです。
泣くこともある。
ふてることもある。
反発することもある。
でも、「ここは譲れない」という姿勢を指導者が貫くことで、お子さんは応えてくれます。
実は大手音楽教室での動機づけは、このような理由が多かったのです。
・先生に言われるから。
・間違えずに速く弾きたいから。
・誰かより先に進んだ曲を弾きたいから。
講師も、自分の思い通りに弾かせようとしたり、曲の進み具合で生徒を判断したりすることが多いのです。
これでは、お子さんはなかなか個性を表現することはできません。
そうではなくて、お子さん1人1人の動機づけが大事なんです。
お子さんが表現のために頑張るから、保護者は感動するんです。
そのために、私は厳しいことも言えるのです。
今年はお子さんはどんな姿を見せてくれるでしょう。
発表会をお楽しみに!