今日は、発表会後の成長シリーズ最終回です。
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わたるくん(仮名 小学2年生)は、自分が思った部分は繰り返し練習するのですが、注意された部分の練習に対しては、気が乗らないことがありました。
いつまでも練習しない部分が一向に上手になりません。いつもつっかえてばかりです。
そのことを注意されるのがだんだん嫌になったわたるくんは、7月のある日「ピアノ辞める」と言い始めました。
お母さんは、自分の意志で始めたおけいこは、続けてほしいと強く願っておられました。
そこで、私はお母さんと話して、お父さんからもわたるくんに意見を伝えていただくようお願いしました。さらに強い願いが伝わるからです。
そして、このように対応しました。
辞めるのはいつでもできる。でも嫌だから辞めてしまうと、今後同じ場面になったら、嫌だから辞めるの繰り返しになるのではないか。
それは、「僕はどうせできない」というふうに、自己肯定感を下げることになるのではないか。
それならば、このまま辞めるより、発表会で目的を達成してから、辞めるかどうかを決めるのはどうか。
すると、わたるくんは「発表会までは頑張る」と決めたのでした。
発表会までは、過去に習った曲をブラッシュアップして、24の調の中から14の調で弾くことにチャレンジしました。
すると、わたるくんは自然に繰り返し練習するようになったのです。グループレッスンでも、できないところは繰り返し練習していました。
その真剣さは、今までにないくらいでした。
そして、発表会では注意を思い出しながらしっかりと弾くことができたのです。私は、これなら、わたるくんがどう決断しても大丈夫だと思いました。
発表会が終わって、わたるくんに今後どうするか聞いてみました。
わたるくん「もう自分で決めてきた!ピアノ続ける」
私「どうしてそう思ったの?」
わたるくん「練習したら上手になってきたし、頑張ってもっと上手になりたい」
そう言って、以前つっかえた曲を、自分から弾き始めたのです!
今では、注意されたところも自然に繰り返し練習できるようになりました。ピアノの音色も元気の良い大きな音になってきました^^
迷いがあっても、自分で決断できたこと。前向きな決断ができたことが自信になったのですね。
本当に素晴らしいですね。
もし私が利益優先で考えていたら、わたるくんを説き伏せていたかもしれません。
でも、それでは本人の心は動かない。本人の心が動いてこそ、自発性が育つのです。
回り道のように思えるかもしれないけど、本人の気持ちが動く指導を心がけてきて、よかったと思っています^^