天橋立。
日本三景の一つですが、行ったのは初めてです。
島をつなぐ道の部分は、何千万年もかけて(!)
自然にできたものだそうです。
思いを馳せつつ、現実には、
松林の往復6キロを歩いて、大変くたびれました(笑)。
お茶屋さんの冷ぜんざいの美味しかったこと!
さて、
生物学者の福岡伸一さんが、
生命は、部分と全体で、
統一性が保たれているということを言っていました。
細胞レベルで動いていても、
生命として全体のバランスを乱すことなく
動いているというのです。
例えば、故意に遺伝子を欠けさせても、
予想に反して、全く異常の無いマウスができる。
「足りないものへの可塑性」こそ生命の神秘だ、と。
とても音楽的だなあと思ったのです。
音楽も、部分と全体が調和していないと美しくならない。
全体(題名、速さなど)を考える。
部分練習をする。
曲全体の雰囲気を壊さないように。
部分だけでは、統一感に欠ける。
全体を流して弾くだけでは、細部がおろそかになる。
そこに、演奏者の心が加わって初めて、
ただの音が、心を伝えられる音楽になる。
その時もしミスしたとしても、
聴く人は、しっかりと思いを受け止めることができる。
いわば、音楽に可塑性が生まれる。
目に見える部分と、
目には見えないけど何かをそうたらしめているもの。
そのつながりを考える時、
音楽と科学は違うようだけど、
きっと共通しているのだと思います。