今までレッスンのカウンセリング効果として、
「自発性を促す」
「親子のコミュニケーションアップ」
「子ども時代の学びの基礎固め」
「成果より原因!」
「強み発見!」
について書いてきました。
まとめとして、今日は「人生の問題を未然に防ぐ」について話したいと思います。
ちょっと長いですが、ぜひ最後まで読んでくださいね。
例えば、こんなことがありました。
兄弟で通ってくれている生徒さんがいます。
小学3年生のかいとくんは、ちょっとクールで、あまり感情を出さないほうなのですが、お迎えに来たお母さんを、蹴ったり叩いたりしながら、何か訴える様子でした。
それがしばらく続いたのです。
単に甘えているというより、なにかとげとげした感じも受けたのです。
そこで、お母さんに、
「お家でかいとくんが何か訴えていることはありませんか?」と尋ねました。
お母さんは、
「そういえば、『お母さんは他の兄弟ばかり可愛がって僕のことは見てくれない』と言います」
そこで、私は
「それではかいとくんに毎日ハグをして、『あなたが一番大事なのよ』と言ってあげてください」と伝えました。
すると、1週間くらいでかいとくんの表情は見違えるように明るくなり、屈託なく話したり笑ったりするようになりました。
ピアノの課題にも積極的にチャレンジしています。
妹の面倒をよく見て、妹からも慕われるようになりました。
グループレッスンでも、競うだけでなく、相手に配慮した行動ができるようになりました。
愛情が満たされた(後述しますが、正確に言うと思考のクセが解消できた)ので、より前向きになれ、相手との関係も大きく改善できたのですね。
実は、このようなアドバイスは、本来ピアノとは無関係ですし、家庭の中のことなので、言うかどうか迷いました。
でも、シグナルを送ることはできる。そう思ってお伝えしました。
幸いお母さんがすぐ対応されたので、よかったです。
私が心配したのは、大きくなったかいとくんが、お母さんの愛情を誤解したまま、いじけて卑屈になったり、逆に、反動でマウンティングしたりして、兄弟ともめることでした。
お母さんは兄弟みんな仲良くと思っているはずなのに、誤解がもとで仲たがいは悲しすぎる。
兄弟をレッスンで見ている私も、同じ気持ちです。
問題を起こしかねない芽は、できることなら早めに対策しておいた方がよいのです。
それには、思考のクセに気づくことなんです。
長くなってしまったので、続きは次回に書きますね。